良い子の皆さん、こんにちは。
山梨は都留市、といってもさらに街はずれで整骨院を営んでおります。
血液検査で塩分過多がバレた、不肖・大房です。
さて今日は「成長痛って、なんなんだろう?」という話。
「成長だから痛い」「そのうち治る」 そんなふうに言われても、子どもが痛がる姿を見るたび、親としてはどこか落ち着かない。 整形外科で“成長痛”と診断されても、 「じゃあこの子に何をしてあげればいいんだろう?」と考え込んでしまうこと、ありませんか?
整形の先生たちは、必要な検査や画像診断を通じて病的な異常がないかをしっかり診てくれます。 でも、そこから先の「どう過ごすか」「何を見直すか」は、実は生活に密着したヒントの積み重ねが大事なのです。
そのモヤモヤ、いったんぜんぶ置いて、 今日ここでいったん整理しましょう。
成長痛は「からだの使い方」のクセが出てる
まず言いたいのは、 成長痛=成長が悪い、ではないということ。
むしろ「成長中のからだに、どんなクセがついているか」が痛みの出方を決めています。
たとえば――
- サッカー:蹴る足ばかり使って、太もも前・膝下にガンガン負担 → オスグッド
- バスケ:着地やストップで踵と腰が悲鳴 → シーバー・分離症
- 野球:投球フォームの片寄りで腰や股関節がギブ → 腰椎分離・股関節痛
- ダンス:体幹ゆるゆるで脚に全部くる → 膝・腰
- ランニング:前傾しすぎ・腕振りすぎで脛と足首が泣く → シンスプリント
「何をしてきたか」で「どこが痛むか」は変わる。 だから、成長痛はただの“痛み”じゃなく、“これまでの使い方の答え合わせ”なんです。
「痛み」は“運動連鎖”のどこかに不具合があるサイン
ヒトの動きは、ひとつの関節や筋肉だけで成り立ってません。
- 股関節がサボって膝に負担が出る
- 足首が硬くて腰が無理する
- 体幹が抜けて、肩や首に来る
こういう“運動連鎖の乱れ”が、成長期に起こりやすい。 なぜなら、
- 骨は急成長
- 筋肉や腱は追いつかない
- コントロール機能は未発達
このアンバランス状態だからこそ、 どこかのエラーが“痛み”として出やすい。
ちなみに、筋膜の滑走不全や関節包の短縮が生じているケースでは、 痛みは「原因とは別の場所」に現れることもあります。 “患部以外を観る”視点を持てるかどうかが、臨床力の差かもしれません。
余談ですが、最近流行りの「足部からの運動連鎖アプローチ」や「インソール処方による力学調整」も、実はこの連鎖の可視化が重要です。問診で“足の爪の形”まで見る人は、だいたいガチです。笑
修復の材料がなければ、痛みは長引く
さてここで、ようやく“食事”の話です。
からだの回復には「材料=栄養」が必要です。 がんばって動いて、壊して、でも足りてないと――修復されない。 それどころか疲労が積み上がる。
不足しやすい栄養素と、起きやすい症状をまとめておきます。
栄養素 | 不足すると… | 出やすい症状 |
---|---|---|
カルシウム | 骨の質が低下 | 腰・膝の痛み |
ビタミンD | 骨の石灰化遅延 | 踵・腰 |
タンパク質 | 筋肉の修復が遅れる | 膝・腰・疲労感 |
ビタミンB群 | 糖代謝低下、回復不良 | 倦怠感・集中力低下 |
マグネシウム | 筋の過緊張・痙攣 | 夜間痛・踵 |
オメガ3脂肪酸 | 炎症が引きにくい | 関節の痛み |
💡ちなみに:ビタミンDが30ng/mL未満のジュニアアスリートは、骨端線損傷や疲労骨折の発症率が有意に高くなるという研究も。 (日本整形外科学会 2023年小児分科会報告より)
※そして密かに注目されているのが“亜鉛”。筋修復・骨形成・免疫までカバーする地味な働き者。にもかかわらず、食事では全然足りてません。
「食べてるつもり」が一番キケン
朝:菓子パン+飲むヨーグルト 昼:うどん(素)+ジュース 夜:ふりかけごはん+味噌汁のみ
……「食べてるけど足りてない」子、多いです。 糖質は多い。でも、筋肉や骨を作るタンパク質・修復に必要なビタミンミネラルが不足してる。
その結果:
- 疲れが抜けない
- 痛みが長引く
- ケガしやすい
「元気がない」「ダルそう」は、メンタルだけの問題じゃないかもしれません。
プロテインは“未来の筋肉の粉”
肉・魚・卵で十分取れれば一番いい。 でも、食が細い・偏食がある・朝はバタバタ――そういう子は補助食品も活用を。
ホエイプロテインは吸収が早く、成長期の修復支援にぴったり。
目安量:
- 小学生:10〜15g/日
- 中学生:15〜20g/日
- タイミング:運動後/朝食後/夕方の補食
※乳アレルギーにはソイプロテインも◎。
💡補足:カゼインプロテインは吸収がゆっくりなので、 就寝前に摂ると夜間の回復を助けるという報告もあります(ISSN 2018)。
※ちなみに、BCAA単独摂取よりも「EAA+炭水化物」の方が合成刺激は強いです。プロテインバーで済ますなら、成分表も見ましょう。
家でできることまとめ
- スポーツ・ポジション・動き方の確認
- 使い方のクセや左右差をチェック
- 栄養の見直し(主食・主菜・副菜があるか)
- 疲労回復の工夫(睡眠・水分・プロテイン)
- 痛みが強い・続く時は整形外科や整骨院へ
おわりに:成長痛は、からだからの“お手紙”
痛いのはつらい。だからこそ見てほしい。 その痛みが何を訴えてるのか。
成長痛は「黙って治るもの」じゃなく、 「これまでの使い方」+「これからの育て方」へのヒントなんです。
子どもの未来の足腰は、 今日の声かけ、今日の食事、今日のケアでつくられていきます。
📍 大房整骨院(山梨県都留市法能5-2)
📞 TEL:0554-45-1171